歯周病治療について
歯を失う原因の第一位「歯周病」手遅れにならないために、ご来院ください
歯周病とは歯肉炎・歯周炎の総称です。
歯周病の段階と特徴
歯肉炎とは
歯肉炎とは歯肉(歯ぐき)のみに炎症が起きている状態で歯周病の初期段階です。
上図「歯周病の進行過程」2の状態です。
健康な歯肉はうすいピンク色で引き締まっています。
歯肉炎になると歯肉は赤く腫れ、歯みがき時に出血したりします。
原因は歯垢(プラーク)です。歯垢の中には細菌(歯周病菌)がたくさんいて有害物質をだし、歯肉に炎症が起こります。
歯周炎とは
歯周炎とは歯肉炎が進行したものです。
上図「歯周病の進行過程」2~4の状態です。
歯を支えている骨が吸収され、歯がぐらぐらしてきます。
最終的には歯を支えきれなくなり、歯が抜け落ちてしまいます。
とうぜんですが、歯を抜いてしまうと、もう自分の歯は二度と生えてきません。
毎日歯みがきをしているのに歯周病になるのはなぜ?
多くの方が疑問に思うこの問題。実は、歯周病菌は「バイオフィルム」と呼ばれる強力なバリアに守られており、歯みがきだけでは完全に取り除けません。 さらに、歯垢が長期間付着すると 歯石 へと変化し、歯みがきでは除去できなくなります。
この歯石が歯周ポケットに付着すると、細菌が繁殖しやすい環境 となり、炎症が悪化してしまいます。
このようにして 歯周病は徐々に進行 していくのです。
歯周病の進行
① バイオフィルム形成
歯周病菌が強力なバリア(バイオフィルム)を作り、歯みがきでは除去しにくくなる。
② 歯垢が蓄積
磨き残した歯垢が歯の表面に溜まり、細菌が増殖しやすい環境に。
③ 歯石に変化
歯垢が硬化して歯石となり、歯みがきでは除去できなくなる。
④ 歯周ポケットの細菌繁殖
歯石が歯周ポケットに付着し、細菌がさらに繁殖。
⑤ 炎症悪化 → 歯周病進行
歯ぐきの炎症が悪化し、最終的に歯を支える骨が破壊される。
定期的な歯科メンテナンスで歯周病を予防しましょう

では、どうすれば歯周病を防げるのでしょうか? その答えは、定期的に歯科医院で歯垢・歯石・バイオフィルムを除去してもらうことです。
歯科医院では、専門の器具を使用することで、これらの汚れを徹底的に取り除くことが可能です。
アメリカの研究では、興味深い報告があります。 歯周病治療を終えた患者さんを10年間追跡調査した結果、定期的に歯科医院でクリーニングを受けた人は、受けなかった人に比べて歯を失う本数が4分の1に抑えられたというデータが示されました。
そのため、3ヶ月~6ヶ月に一度、歯科医院でのメンテナンスを受けることをおすすめします。
虫歯予防・歯周病予防について歯科医師と患者様との『二人三脚』による歯周病治療
さくら歯科クリニックでは、一方的に治療を施すというスタンスはとっておりません。
われわれプロスタッフも頑張りますが、患者様も出来る事を(ご自宅でできるセルフケア)頑張っていただくというスタンスです。
私たちが治療することにより、歯周病を改善することはできますが、患者様が今までと同じ生活習慣のままであれば、歯周病が再発、悪化してしまいます。下の統計をみてください。
歯間清掃用具ごとによる歯垢除去率
清掃方法 | 歯垢除去率(%) |
---|---|
歯ブラシのみ | 約60% |
歯ブラシ+デンタルフロス | 約86〜90% |
歯ブラシ+歯間ブラシ | 約90〜95% |
この統計はご自宅でのお口の清掃で、使う道具により落とせる汚れの割合も変わってくる事を示したものです。
日本では「歯ブラシ万能主義」が横行しており、歯ブラシで歯を磨けばすべての汚れが除去できると考えていらっしゃる方は多くいます。
しかし、統計を見て頂きますと分かるように、歯磨きだけでは、汚れの6割しか落とすことが出来ません。
デンタルフロス、歯間ブラシを併用することで、磨き残しを更に減らすことが可能となります。
歯を守るために、早めのケアと定期的なメンテナンスを

歯科医院での治療には限界があり、大切な歯を守るには 日頃の口腔ケア が欠かせません。 患者様ご自身でのケアと、歯科医院でのクリーニングを組み合わせることが重要です。
また、歯周病の怖さ は、がんや脳卒中と同様に 自覚症状がほとんどないまま進行する こと。 気づいたときには重症化し、抜歯が必要になるケースも少なくありません。
実際に、抜歯の約8割が歯周病によるもの という報告もあります。
「痛みがないから大丈夫」と油断せず、早めの診察と定期的なメンテナンス を続けることが、歯を守る最善の方法です。
歯周病が末期になると、決定的な治療法や特効薬はありません
以下のチェックリストに1つでも当てはまる場合は、お早めにご来院いただくことをお勧めします。
- ハミガキすると歯茎から出血する
- 歯肉が赤くはれている
- 歯茎から膿がでる
- 食べ物が歯の間にはさまりやすくなった
- むかしより歯が長くなったように見える
- 朝起きたと時、口の中がネバネバする
- 歯がグラグラする
- 歯が浮いた感じになる
- 口臭があるとよく言われる
歯科医師としても歯周病の初期の段階での治療は自信がありますが、末期では延命が精一杯という場合もあります。
しかし、早めの来院によって、その後の状況が大きく変わっていきます。ですので。
下記のセルフチェックに該当する箇所が1つでもありましたら歯科医院へ来院をおすすめします。